8両編成でMT比1:1を前提に計画されていたが、1968年10月に山手線が10両編成に増強された際には6M4Tとなるため、MT比が3:2となった。単に編成出力だけを見ると101系が2400KWに対し、本形式は2640KWと大きく「10両ならば103系でなくても101系でもいい」という意見もあった。

実際の変電所負担に関わる電力消費は定格引張力が小さい101系は本形式の加速度に合わせるには起動時の限流地を高めなければならなかったという。

同様の駅間距離を持つ中央総武緩行線における101系と本形式の6M4T同士の試算では以下の通りになる。

運転時分を同等とした場合、限流地は本形式で415Aに対し101系では480Aとなる。

同試算によると101系に比べ本形式は変電所設備や年間電力消費量を軽減できるとされており、編成出力だけを基準とした意見は必ずしも正確ではない。

101系に限らずMT46の主電動機を採用した形式は主電動機の絶縁種別が低いのもあって熱容量(電動機の通電による熱に対しての耐性)が概ね不足しており、加速・減速が繰り返し行われる線区では全電動にしても熱容量が足りないという試算が1960年代に出ており、101系では全電動でも問題があるとされていた。

更に101系は熱容量不足で応荷重装置が使えず乗車率が300%に達するラッシュ時には乗客の数に応じて運転時分が変動する。
一方で応荷重装置を使える本形式は乗客数に関係なく起動加速度を一定に保てるメリットがある。

そもそもMT比1:1をMT比3:2とすれば運転性能が上がり、1965年の京浜東北線の本形式10両運転の際に運転局で長短所について検討しているが、省電力のメリットはMT比3:2でも引き続き得られることが確認されている。従って同じMT比3:26M4Tでも本形式の方が101系よりも加速度が高いという長所がある。

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